辻村節子さんの新連載始まる
敬愛と驚嘆を一身に集めて世界一永く続いたユーラシア関連の月刊誌「ハルブーザ」は2003年5月に惜しまれて休刊したが、その間、30年を超え368号に及ぶ格調高い膨大な記事を自ら書き続け、また読者に寄稿を呼びかけ続け、一つの欠号もなく提供し続けた編集出版者の古曳正夫氏は、まさに日本のシルクロードブームを先導し、後塵を拝したまま、未だ払い切れていないNHKを遙かに凌ぐ偉人だと衆目は一致する。
数多くの寄稿者の間にあって、170号(’86年5月)に「インド細密画の謎」を発表したのを皮切りに、休刊直前の367号までに「インド細密画の小径」22編を含む全25本のインドミニチュアール論考を寄せた、辻村節子氏は多くの読者を唸らせた一人だ。熟す途中だったハルブーザはカラー印刷ができなかったので、製本発送直前に動員した人力プリンターが大量のカラー写真を糊付けして甘みを加える必要があったりしたのも、今は懐かしい想い出でとなったが、自らも細密画をよくする辻村さんの紹介、論考によって得ることの多かった機会が長期に閉ざされたのはとても寂しかった。
07年10月から偶数月に掲載ということで、その「インド細密画の小径」が復活したと、辻村さんが発表された。三陸書房のホームページを開き、「オリーブ」誌をクリックして久しぶりに「小径」を読むことができます。
10月号は「インド細密画の小径」(1)としてキシヤンガル派のラーダー像の美しいカラー写真を巻頭に掲げて論考が始まり、12月号に続きます。カラーは美しいままダウンロード&コピーも可能です。「ハルブーザ」とはまた違った趣ですので是非開いてみて下さい。
アンダーラインした「三陸書房」をクリックすると直接10月号の辻村さんのページが出ます。ページ最上部の欄外「オリーブ」をクリックして12月号に飛んで下さい。「ホーム」で三陸書房の全般をどうぞ
「ハルブーザ」に掲載された辻村節子さんの論考一覧
- 170号 ’86/5月 インド細密画の謎
- 172 ’86/ 11 アウドのミニチュアール
- 177 ’87/4 古都ラホールにミニチュアールを訪ねる
- 186 ’88/1 インド細密画の小径 1 バニ・タニ賛
- 189 ’88/4 インド細密画の小径 2 カングラのヌード
- 193 ’88/8 インド細密画の小径 3 ムガールの肖像画
- 198 ’89/3 インド細密画の小径 4 ライラとマジュヌーン
- 205 ’89/10 インド細密画の小径 5 ラーサ マンダラ
- 210 ’90/3 インド細密画の小径 6 クリシュナ 山を挙ぐ
- 223 ’91/4 インド細密画の小径 7 詩人の恋
- 234 ’91/4 インド細密画の小径 8 恋する女性のさまざま
- 240 ’92/9 インド細密画の小径 9 乙女とヴィーナと鹿と
- 246 ’93/3 インド細密画の小径 10 春に踊る
- 257 ’94/2 インド細密画の小径 11 一握りの米
- 267 ’94/12 インド細密画の小径 12 天上のロマンス
- 293 ’97/2 インド細密画の小径 13 ハンマームの光景
- 310 ’98/2 インド細密画の小径 13 補遺 マアムーナからハールンへ
- 318 ’99/3 インド細密画の小径 14 タブリーズ・イランの旅
- 330 ’00/3 インド細密画の小径 15 ムガール王朝の細密画
- 332 ’00/5 インド細密画の小径・脇道 16 コーイ・ヌール
- 333 ’00/5 インド細密画の小径・脇道 17 ハマユーン
- 344 ’01/6 インド細密画の小径 18 大帝アクバル・前編
- 345 ’01/6 インド細密画の小径 19 大帝アクバル・後編
- 356 ’02/5 インド細密画の小径 20 ムガール王朝の細密画
- 367 ’03/4 インド細密画の小径 21 マールワの絵画
- (以上25編)
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