中央アジア史を大きく動かしたクシャンの盛衰に関し、其のおおもとをなす五翕候の勇、貴霜翕候の揺籃の地がワハン回廊西半分であることを含む五翕候の領域について、白鳥庫吉先生の説が戦前から通説化していたが、最近、貴霜揺籃の地はクンドウズ川がアムダリヤとの合流点に近いキシュト・テペであろうとする前田たつひこ先生のオクサス川南北のバクトリヤに拡がる五翕候の新しい領域展開説が発表された。
両説をイラスト化して比較すると、大月氏西遷を含めたオクサス(アムダリア)周辺、バクトリアとワハン、バダクシャン一帯の勢力関係がが全く違って見えるところをを確認する。